旅行してて、
 この町は、なんか、わかりにくいな・・・
 と思ったと土地が、いくつかあるん。
 
 たとえばで云うと、とくに、仙台と金沢。
 
 
 仙台は、
 近代的な大都会すぎて、情緒の点で・・・なんだか感があった。
 金沢は、都会で、観光名所は多いけど、
 歩いていて、わかりにくい町だなあ・・っちゅう感じ。
 
 いずれも、
 古い歴史があるのに、
 もやもやっとして、すっきりしない感じが残ったのヨ・・・。
 仙台は何回も何十回も行ってるけど、わかんなかった。
 
 
 で、
 おらの個人的な「もやもや」を解消してくれた番組があった。
 NHKの「ブラタモリ」。
 タモリさんが、自分の興味本位で自由に行動する番組。
 
 この番組のすごさは、語り尽くせないけど・・・
 
 仙台で云えば、「杜の都」と呼ばれる謎解きから始めて、
 わかりにくい町の構造の原因−−−町割りの道の方角が、二つの違う基準に基づいていること−−−
 仙台の街が河岸段丘の上にあって、伊達政宗の天才的な治水能力が現代に活きている・・・など、
 地理好きなおらが、仙台の街を歩いて、ことごとく「もやもや」っと感じていたことを一気に解決してくれた。
 
 
 金沢で云うと、
 お城の鉄壁の防御・・・
 100万石にしては、お城が小さい感じがしていたので、
 鉄壁の守りの構造の説明には納得するばかり・・・。
 江戸初期の金沢城の構造を知ると「もやもや」が解消したのです。
 あとは、前田家の治水のすごさ・・・・
 うなるしかない・・・っちゅう感じでした。
 
 
 人間が住んで町をつくってゆくとき、
 給水、治水って、ほんとうに大切で、
 江戸の町だって、江戸城に給水するために神田川を作って井の頭から水を引いたわけだし・・・
 
 戦国武将や家臣は、戦闘能力に秀でてただけじゃなくて、築城工事、埋立工事、治水工事といった土木技術も高かったことが、よくわかります。
 
 
 はなし飛ぶけど、
 水について、おらの経験で一番感心したのは、
 エルサレムなんです。
 
 何度も云うけど、エルサレムはキリストが活躍した町。
 新約聖書に書かれている物語の中心の町。
 
 
 2000年以上前のエルサレムは、モーゼの十戒の石板を納めた巨大な神殿を防衛するための城壁都市だったけんどもさ、
 
 城壁の中には、水がわき出さなかった(らしい)。
 でも、城外の崖を降りた場所「下の町」に泉があって、
 そこは、「ギホンの泉」と呼ばれてます。
 
 人間というのは、
 水を得る努力は怠らないもので、
 2000年以上前から、ギホンの泉の水は、せっせと掘削した地下トンネルを経由してエルサレム城内に運ばれていました。
 
 キリスト先生が新約聖書の中で活躍なさったずっと前に掘削されて利用されていた水脈トンネル(隧道)を歩いてみた。
 
 すると・・
 豊かな水量の水がごうごうと音を立ててトンネルを流れていて、
 それが、固い岩盤を削って、人工的に作られた水路を通してエルサレム城内に運ばれていったことがわかります。ブラタモリで紹介された、金沢の兼六園へ運ばれる水のトンネルの作りと、ほぼ同じ(高さとか横幅とか見た目とか)です。
 
 掘削マシーンなんてないし、ぜんぶ大量の人員を投入した手掘り作業なので、古い時代の給水トンネルが同じ構造になるのは、あたりまえ・・。
 
 
 おらに限らず現代人は、水って蛇口をひねれば勝手に出てくると思ってるけど、実際には、どこかの水源から町に水を運ぶ手段があって、それを計画したり作ったりするのは、かなり高度な測量技術と土木技術を必要とするなあ・・・と、感心するしかないデス。京都南禅寺の水道橋も、すごいなあと感心したけど、南禅寺は、瞑想する者にとってもヒントを与えてくれる場所なので、別の機会にしゃべるかも(←忘れるかも・・)。
 
 
 どうでもいいことだけど・・・
 エルサレムのギホンの泉を一緒に同行してくれたアラブ系の兄さんはすごく良いヤツだったけど、その日、入り口を仕切ってた兄貴はちょい悪で、実はとんでもない目にあった。過剰請求・・つっても、20ドルくらいのことなんだけど・・・約束が違うべよ・・・的なトラブル。
 
 一緒に同行してくれたガイドのアラブ兄さんは、
 おらに対して、ひたすら謝罪して、
 お詫びだ・・・と云って、近隣の谷底で見つかった古代コインをくれた。
 2000年前のコインで、キリストが使ってたもの・・・かもしれない、なんて苦笑いしてた。そのあたりは、地面を掘れば、古代のコインなんかがさがさ出てくるから、「鑑定団」に出しても100円くらいだと思うけどね・・・
 
 ガイドの兄さんは、ホントにいいヤツで、
 イメージとしては、歌手のクリス・ハートさんみたいに、
 がっちり体型で、おだやかな目、知性的・・でしたヨ。
 
 
 個人的にはね・・
 ブラタモリの海外版、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、パリなんかも、やってもらえれば勉強になるな〜と思って期待してます。
 
 番組の製作スタッフが、その土地の研究家を招いて、段取りつけて進行してゆくので、普通の旅行者では100回行ってもわからない、いろんなあれこれを見せてくれるから、個人旅行や個人学習では解明できない複雑な問題がすっきりするものね・・・
 
 
 
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