この刀が宙に浮く！
時代劇とか、時代劇漫画とかみてると、
お侍（武士）は、腰に刀さげてます。
んで、はなたれの子供の時、女の先生が、
「でもね刀は重いので、竹で作った刀を使ってたそうです」
と説明なさった。
そのときは、刀の重さなんかわかんないから、
ぼや〜っと、先生の云うことを聞いてただけ。
でも、それから何年かして、実物の刀の重みを体感することがあった。
いや・・・男子なので、子供の時から、おもちゃの刀は振り回したこともあるし、ニセ物をさわったこともあるけんど。
大人のひとは想像できると思うけど、
あんな重いもの、外出中は、常に携帯しなさいって命令されても、
現代人だったら、ぜったいイヤだよ。
重量は、１．２〜１．３ｋｇとか、そのくらいかもしれないけど、
日常生活の中で刀が必要になる可能性って、限りなくゼロなのに、
いっつもいっつも、腰に差して歩け・・・っていわれたら、
イヤだなあ・・・と、わてなら、思う・・・。
だって、どっちかの腰脇に、１．２〜１．３ｋｇの重みがあると、
背骨、湾曲するんじゃないか・・なんて心配するもの。
総大将とか、大名とか、
そういう高い地位の人は、刀なんか腰に差さないもんね。
以前、少し書いたかもしれないけど、
大人になって刀の芸術性に興味が出たときがあって、
岡山の備中長船や愛媛の大山祇神社に刀剣を見に行ったことがあるん。
おらの場合は、どんなものでも、
見たそのときは、おおおおお〜っと感動するし、
その後２時間くらいは、あれこれ熱く熱心に語れるけど、
三日もたつと、ディテールは全部忘れる。
一年後には、行ったことも覚えてないかも・・・
とはいえ、そのときの印象だけは残ります。
で、ですね、
子供の頃、まだ刀の重さを知らなかったころ、
親戚のおじさんに連れられてお祭りの縁日を歩いていると、
白装束を着た男のひとが、大声でしゃべっている。
「・・・みなさん、いいか、この重い刀に注目しなさい・・」
「・・これだって、ほら、そこのボク、よく見るように・・」
「・・この刀だって、いつもゴロンと寝そべっているだけじゃない」
「・・これだって、宙に浮くことがある！ ５分後だ！！」
と、口上を述べていた。
おらは、もう、それが気になって気になって、
通り過ぎようとする親戚のおじさんの手をひいて、「見たい」と談判したのだが、おじさんは「あれはいつでもやってるから、見たかったら明日＊＊君と一緒に来ればいいよ」と云った。
なるほどそうか、お祭りの間は毎日みれるのか・・・と納得して、
そのときは、おじさんと一緒に、別の場所に移動した。
このときの情景は、いまでも夢に見ます。
いろんなバリエーションで、当時のお祭りが夢の中で再現される。
いや、で、ですね・・・
「刀が宙に浮く」っちゅうのは、
大人になってみれば、笑うじゃないですか・・・
でも、子供って、真剣になるのよ。
・・・どうやったら？ とか
・・・どうして？ とか
子供なりにも、考える。
で、気になって、しょうがない。
昔から、商売（ビジネス）って、
こういうキャッチで成り立ってきてる・・・よなあ。
スカっと爽快！ だの、
眠気スッキリ！！ だの
ラクラク快適！！ とか、
いっぱあってきりがないけど、
ああいうの、「刀は宙に浮くよ」と、
あんまり変わらない・・ちゅうか、同じだな・・・
ずう〜っとそう思ってたら、
やっぱり、わかる人はわかる。
あるニュースキャスターが上野池之端で、子供の時、
「ヘビは飛ぶよ！」っちゅう大道芸の口上を聞いたらしい。
その言葉をきっかけとして、
有名な音楽プロヂューサーと盛り上がるんだけど、
現代は、インチキだと云って怒ってみたり、
番組製作に虚偽があると責任問題になったり、
・・・とにかく、なんだか、つまらなくなってる。
これは、らく〜んさんともしゃべるんだけど、
むかしは、女性がおっぱいみせるドラマとか普通にあった。
深夜番組だと、ケツ見せるくらいなんでもなかったよ。
でも、だんだん、芸能のしゃれや冗談を理解できないひとが増えて、
芸能と一般社会を混同してごちゃまぜで文句を云うので、
芸能社会も、じょじょにバカに優しい社会に傾いていって、
どんどんテレビはつまらない方向に流れていってますな。
でもさ、ネット動画だと、むちゃくちゃなのいっぱいあるよ。
若者は、ネット動画みるから、テレビみないし。
ほんとにね、
「この刀が宙に浮くよ！」を真剣に信じるような、
子供時代のおらのような大人ばっかりになっちゃったら、
とってもこまる・・・・
子供の時に思いっきりだまされた大人はね、強くなるよ！！
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