あ は は
 
 
 
 
 中州・ススキノ・ニューヨーク・・・
 
 いわゆる歓楽街というのか、夜になると華やかになる街がありますな。
 わては、学生時代、こういう繁華街で、でっかい装置を使って生ビールを出すバイトをしてたことがあるけど、
 
 あれだよ、
 飲み屋のプロって、たいてい、お酒は飲まないのですな・・・
 「愉快にお酒を飲んでいただいて仕事をさせてもらってる」という意識が強くって、少しは飲むときもあるけど、ほとんど飲まないという人が多かったです。これは勉強になった。
 
 そして、夜の銀座の、華やかなお店の「朝礼」とか見学する機会があって、みてると、ほんとに、みんなプロなんだな・・・と感心した。
 ぴりっとした空気の中で、
 いかに楽しんでもらうか、いかに豪快に遊んでいただくか、
 そういう、真剣なテーマで打ち合わせが進行していった。
 
 
 おらは部外者なので、
 そういう打ち合わせを、少し離れたところから、興味深くみてた。
 
 
 古今亭志ん生さんで有名な「三枚起請(さんまいぎしょう)」という落語があるけど、
 
 遊郭の女郎に入れ揚げた、ふだんは仲の良い三人組が、
 ひとりのお女郎さんから全員がもらっている誓紙、
 つまり結婚の約束をした誓約書(起請)をもってるっていうことで、
 
 おれのが本当だ・・・いや、おまえのは違う・・・と、
 ばかみたいな争いをするんですけど、
 
 結局、みんなで協力して問い詰めたら、
 「こっちは商売でやってんだよ!!」
 と、女郎さんが開き直る・・・・という噺(はなし)。
 
 
 そんなの、当たり前なのに、
 男は、「自分こそは」とのぼせあがって喧嘩する・・・
 というような、古典落語があるん。
 
 遊郭だ、お女郎さんだっていうと、なんか古典的だけど、
 現代の、まさに本日今日現在だって同じで・・・
 
 変わんないよ、こういうの。
 イエスキリストの時代にもマグダラのマリアさんがいたように、
 いつだって、どの世界だって、
 うぬぼれ男がひっかかる・・・・という話は尽きないの。
 
 
 いや、でさ・・・
 らく〜んさんとも語るんだけど、
 もともとばかばかしい夜のお遊びの世界のことでいえば、
 
 「だまされて悪いのかな?」とか、
 「無条件で笑えるよね・・・」
 なんて、おらたちは、そういう立場です。
 
 のぼせあがった男が、
 お女郎さんや夜の商売のお姉さんにだまされるのって、
 なんか、おもろい。
 ただ笑ってすませられる分には、あははは・・で良いと思うん。
 
 むしろ、そういうばかばかしい話を真剣に考えちゃうひとが増えてきて、そっちのほうが、なんかコワいね・・・なんて。
 
 
 ホステスさんは、自分を贔屓(ひいき)にしてくれるお客さんに甘えます。とことん甘える。
 「誕生日には**のバッグが欲しいわ・・」なんて云うと、
 男としては、そのバッグを買ってきて「ホラ・・」なんて見栄を張る。
 お姉さんは、質屋へ直行して、現金化しますね。
 でも、たくさんのお客さんに同じバッグを買ってもらってるから、お客さんは「いつもおれのバッグをもってる・・」と思って安心するんです。これは、桂南光師匠の落語のマクラで語られる有名な噺。
 
 もっとすんごいのいっぱいあるけど、語ってくれた人(だまされたひと)に迷惑がかかると悪いので割愛します。いずれの場合も、だまされた当人は、だまされたことにすら気づかず、いい気分を味わってるので救いがあるし、それがプロの技術というもんで・・・・
 
お姉さん「あそこの花屋さんでお花買ってきて・・」
お客さん「OK」
 → お姉さん「わ、ホントに買ってきてくれた!」
   お客さん「・・(にやにや)」
 → お姉さんは、その花を花屋さんに戻す(お金もらう)。
 → 花屋さんに再び(お姉さんの)お客さんが来る。
 → お姉さん、花を花屋さんに戻す(お金もらう)。
 → これを何度も繰り返す。
 こんなの、序の口で・・・・
 お姉さんは小遣い稼ぎ、花屋さんは儲かる、お客さんも満足。
 だれも損をしない・・・。
 
 こういうので怒るのは野暮。
 あはは、っと笑うしかない。
 
 
 最近のアイドルファンの握手会も、似た傾向があって、
 自分の名前を覚えてもらったとか、カオを覚えてもらったとか、
 そういうことが嬉しくって参加するんだけど、
 そして、その瞬間のお互いの交流は楽しい。
 
 当然、ファン獲得のための「釣り」をするメンバーもいて、
 セクシーアピールだったり、
 カマトトだったり・・・それは、あたりまえで・・
 
 でも自分の「素」を正直に出しちゃうと、
 そういうのを嫌うファンもいるから、
 なるべく喜んでもらえるように努力してます。
 なんとな〜く、うまくやってる・・・
 
 最近は、小学女子、中学女子、高校女子・・・も多いそうで、
 握手会なんて若いママも普通に来るし、
 孫の手をひいたおじいちゃんもやってくるし、
 中年男性の比率が多いにしても、老若男女さまざまらしく、
 とりあえず、みんな楽しそうなので、
 ネット記事とかをみてるぶんには楽しいな・・と思ってます。
 
 怒ったり文句を云う人って、
 「握手会商法は音楽ビジネスを崩壊させる」とか
 「表面的な笑顔で握手して何が楽しいのだ」とか
 余計なお世話的をやくけど、
 
    野暮・・・
 
 
 インターネットで違法な音楽ダウンロードができる音楽ビジネスの環境のなかで、CDショップも困ってるし、
 
 ビジネス環境がどんどん変化してるから、
 あんまり難しく考えないほうが楽しいよ・・・
 
 とってもデリケートで難しいテーマなので、
 このへんで、退散する。    さいなら。
 
 
 
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