失われたアーク
 
 
 
 旧約聖書に登場するアーク(聖櫃:せいひつ)は、モーゼが神から授かった戒律(十戒)を刻んだ石板を納めた箱(日本の御神輿みたいなの)。
 
 映画「十戒」に描かれているように、エジプトで奴隷だったイスラエルの民を救い出したモーゼは、約束の地(カナン)に向かう途中、シナイ山で十戒を授かった。と・・・、旧約聖書に書かれている。
 
 
 十戒は、実にシンプルで、
 
  1 神の他に、なにものをも神としてはならない。
  2 偶像を作ってはならない。
  3 神の名をみだりに唱えてはならない。
  4 安息日を守ること。
  5 父母を敬うこと。
  6 殺してはならない。
  7 姦淫してはならない。
  8 盗んではならない。
  9 隣人について偽証してはならない。
  10 隣人の家をむさぼってはならない。
 
 1〜3は、宗教的、
 4〜10は、道徳的です。
 
 でも、まあ、解釈によって、あ〜だの、こ〜だの議論を始めるのが人間というもので、シンプルな教えから、無数の解釈が生まれていって、
 
 なんか、面倒なことになってゆく・・・
 
 
 モーゼの石板を納めたアーク(日本の御神輿みたいなの)は、
 長い年月をかけてエルサレムに運ばれ、
 神殿に納められた。
 
 「神殿」ったって、ですね・・・
 最初から立派な神殿があるわけじゃないからさ、
 いちばん最初は、たぶん、掘っ立て小屋的なもので・・・
 
 たとえばだ、
 まず、石板を納める掘っ立て小屋的な仮の建造物を作って、
 布きれとかで、小屋の周囲を囲って、
 神社みたいな感じの体裁にしてから、
 そのあと、長い年月をかけて、少しずつ、少しずつ、
 地下から石を切り出して、
 立派な神殿を作っていき、
 最終的に、
 神殿を守る石造りの「神聖な壁」を作ったんだろう・・と思います。
 
 
 イエスキリストが、エルサレムで活動なさっていた時代(紀元0年前後)は、
 その「神殿」に、アークは、ちゃんとあったのです。
 キリスト先生は、よく「神殿」に出かけておられました(新約聖書)。
 
 
 これ(写真1)が、キリスト先生も訪れていた紀元前後の神殿。
 
 この写真の神殿は、もちろん模型です。
 世の中には熱心な人がいて、
 コツコツと自力で、当時の町の模型を作り上げていったのです。
 模型とはいえ、ものすごく迫力があって、貴重な資料です。
 
 
 さてさて、この神殿にあったアークは、
 紀元70年頃、ローマ軍が攻めてくる直前に消えました。
 神殿の地下には、石を切り出した長大なトンネル洞窟網があり、
 たぶん、それを使ってどこかに運び出した・・・
 と、いわれています。
 
 
 長大なトンネルを造った「石切作業員」は、
 「解放された(自由な)石工(いしく)」、つまりです「フリーメーソン」と呼ばれました。いまでも、トンネル内には、フリーメーソンの掲示板があります。
 
 
 おお・・でたね、フリーメーソン・・・・
 そんな関係で、
 十戒を納めたアークは、
 遠く離れたスコットランド(フリーメーソン発祥地)に運ばれた・・・
 という説が、とっても有力。
 
 具体的には、エジバンラ郊外にあるロスリン教会。(←このあたりから、ぜんぶホンマでっか? の世界になります)
 
 で、わてのようなおっちょこちょいは、
 そのロスリン教会とやらをみるために、出かけるわけだ(←ばか丸出しな)。
 
 
 エジンバラは、紀元4世紀には、すでに丘の上に城塞の原型があったという古い町(写真2)。
 お約束のように、フリーメーソンのロッジもあるだよ(写真3)。
 
 そして、
 いざ、バスに乗ってロスリン教会へGO! って、
 わくわくしながら待ってたけど、いつまでたってもロスリン教会の町へ行くバスが来ない・・・
 
 ・・・へんだな・・・と思ってたら、ヒョロっとした親切なイギリスのお兄ちゃんが「バスは来ないよ」と教えてくれた。
おら 「なんでですのん?」
兄 「今日は日曜日。スコットランドのバスは動いていないだよ」
おら 「しぇ〜っ!!」
 となって、
 
 ほな、「おらタクシーで行くだ!」と決心して、
 バス停に近い橋の上で待機していた黒塗りの重厚なタクシーに乗って、
おら 「ロスリン教会まで行ってたも〜れ」
運ちゃん 「チミ、あっこは遠いよぉ・・・」
おら 「行けないくらいに遠いのであるか?」
運ちゃん 「行くけど、お金、もんのすごくかかるよ・・・」
おら 「・・どのくらいでありますか?」
運ちゃん 「んんん・・・行ったことないけど、2万円くらい」
おら 「・・・往復4万で、待機1万で、合計5万・・ちゅうことであるか?」
運ちゃん 「そんなんなっちゃうネ」
おら 「・・すこし考えてヨロシか?」
運ちゃん 「ゆっくり考えてヨロシ・・」
 
 っちゅうことで、
 苦渋の決断ではあるが、GO! は、やめた。
 
 さすがに、
 そんなんするくらいなら、らく〜んさんと一緒に行けば良い・・
 と、強い決意で再訪を胸に抱き、親切な運転手さんに別れを告げた。
 運転手さんも、「そりゃそうだよ・・」という反応だった。
 
 というわけで、おらはロスリン教会には行ってないだ。
 ちゃんと調べてないけど、ロスリン教会はハリーポッターに関係するとか、
 そんな浮き世の噂は、目にも耳にも入るけど、
 むむむむむ・・・行けなかったものは行けなかった・・・あきらめる。
 
 
 アークの、所在候補地の第二位は、エチオピア。
 エチオピアは、古代からエルサレムと関係があり、
 現在もキリスト教が盛んで、
 古代に作られた石造りの教会がいっぱいある。
 そのどこかに、ある、と、噂されてます(←ホンマでっか的なはなし)。
 地理的にも、けっこう近いんです。
 
 アークの、所在候補地の第三位は、エルサレム。
 穴場中の穴場で、
 なんと、神殿から数百メートル離れたところ・・・といわれる。
 
 とくに「園の墓」と呼ばれる私設庭園は、怪しい・・・と・・
 ここは、キリストの本当の墓・・・としても有名で、
 もちろん世界中から観光客がやってくる・・・
 
 
 キリストの墓は「聖墳墓教会」というのが公式見解ですが、
 歩いて15分ほどのトコにある「園の墓」は、
 したり顔の連中が・・・「やっぱ、コッチがホントだよね・・」
 と、自己満足に浸りながらシミジミ語り合う場所・・・
 
 その「園の墓」に緊急避難的にアークが隠されたのじゃ・・・
 という説は、けっこう根強い人気がある。
 おらも、もちろん行ってみたが・・・
 なにも、わかりはしなかった・・・
 あったりまえだ!!
 
 
 結論
 なにがなんだか、わかりません。
 「ぐちゃの活性法則」の渦に巻き込まれて、
 現場に行くだけ行って、
 なんにも、わかりません。
 そんなもんです。  さいなら。
 
 
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