おらの家族は、みんな二重で目が大きい。
 
 ところが、どうしたことか、おらの目は糸ッコのように細く、
 だから、らく〜んさんに云わせると、
 
    眠ってるのか、目が覚めてるのか区別がつかない
 
 なのだそうだ。
 
 
 初めてインド(ベナレス;ヴァラナシ)に行ったとき、
 街で出会うインド人って、みんな目が大きくて、
 白目がくっきりしてるので、
 なんだか睨まれてるような感じがした。
 
 普通に道を歩いてるだけで、道ばたの人や、すれちがう人が、
 なんかジっと見つめるので、
 これは、インド初心者は、慣れるのに半日くらいかかる。
 
 気の荒い兄さんなら「・・ヨ、なにガンつけてんだ、お?」
 みたいな気持ちになる、そんな感じね。
 でも欧米の旅行者も同じように語るから、誰でも同じような感想なんだの。
 
 
 らく〜んさんですら、
 初めてのインド旅行の時は、インド人の「ガン見」に驚いて、
 でも、30分くらいで慣れて、面白がるようになった。
 あとはもう、ぜんぜん平気。
 
 
 いや、
 でさ、
 
 おらが最初にインドに行って、
 毎日毎日インド人に無数の「ガン見」をされてたときのこと、
 
 ある朝、
 ホテルの洗面所でカオを洗って、
 何気なくヒョイっと鏡をみたとき、
 あっと、驚いた。
 
 鏡の中には、
 見たこともないような、ぺろーんとしたカオの、
 んで、恐ろしいほどに目の細い、
 「・・・誰だコイツ?」っちゅうカオがあっただヨ。
 
 それが自分の顔だと気づくのに、あれ、5秒くらい要した。
 
 
 なんじゃこのカオ? みたいな感じ。
 
 
 これ、マイ母が気に入ってる話で、
 何回しゃべっても、毎回、初めて聞く話みたいに笑ってくれる。
 ・・・・・なんでだ?
 
 
 インド人って、まずもってカオのホリが深い。
 んで、目がでっかくて、白目がきれい。
 日本人がターバン巻くと、ぺろーんとして、
 ばかみたいなカオになるけど、
 インド人のターバンは、実にカッコええ。
 
 ターバンは、シーク教徒のひとのシンボルだから、
 インド人が全員ターバン巻いてるわけじゃないけどね。
 
 まあ、どうでもいいけど、
 あのときほど、自分の顔が「ぺろーん」としてると思ったことはない。
 そういや、ヨーロッパやアメリカに行って、
 「日本人?」と聞かれたときの方が少ない。
 街中でも、普通に、隣国の言語で話しかけられるネ。
 そして、けっこう親切にされる。
 
 「目はこころの窓である」と語ったのはキリスト先生である。
 たしかにそうだと思うこともあるけど、
 
 じゃ、おらのように、「細い」っちゅうのはどーなんだべ?
 
 いやいや、それには答えがあって、
 大きな目でも、ずるい目、卑怯目、卑屈目・・・いろいろあるように、
 小さな目でも、正義目、正直目、人情目・・・いろいろある。
 
 おらの場合は、どーだろ・・・
 たぶん、ひとさまから見れば「冷徹〜ばか目」かなあ。
 不機嫌なときは冷たくみえるし、
 普段はばかにみえる。
 仕事の時は、そりゃ、普通のおっさん目。
 そんなもんだろ。
 
 そして瞑想の時はサマージ目である。
 サマージ目って、わかるかな?
 それがわかれば、壁を越えてゆけますよ! さよなら。
 
 
 
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