ズージャ
 
 
 
 おらはズージャ(JAZZ)が好きなんだけんども・・・・
 
 だからといって、演歌が嫌いなわけでもないし、ポップスが嫌いなわけでもない。仕事とかしてるときにBGM的に流して聞くのはズージャ(JAZZ)が多いかなあ・・・・っちゅうくらいのもんで、普通に、なんでも音楽は聞きます。
 
 
 あのね、インド音楽とかは、幾枚かはCDをもってるけど、あんまり聞かないな。別に音楽を真剣に聞いてるわけじゃないので、インド音楽のすばらしさは認めてるけど、仕事中はノっていけないからさ・・・。
 
 
 ラーマクリシュナ先生が「楽器を演奏できるひとは神の領域に近い」というような発言をされている記憶があるけど(ラーマクリシュナの福音全巻)、たぶんそれはそうなんだろうと思う・・・。モーツアルトのように、子供の時から作曲ができる特殊能力のゲージツ家は、たしかにね、高い領域から生まれてきたのだろうな・・・なんて妄想するもんね・・・。
 
 
 おらはの、ズージャ(JAZZ)は好きだし、普通のひとより多量に生演奏も聞いてると思うけど、む〜〜〜ん・・・、らく〜んの方が、なんか正確な耳をもってる。
 
 
 例えば、有名なジャズの名盤ってのがあって、おら的にはあんまり好きでないものっていっぱいあるんだけど、なんにも説明しないでらく〜んに聞かせると、最初から音楽評論家のように、ここが良い、あそこが素晴らしい・・と初見で感動しながら意見を述べてくる。そんで、そういうのは、たいてい熟練の音楽評論家の先生と似たような意見なので、ときどき、いやになる。
 
 
 おらはの、大学ン時、新宿のジャズクラブに通い詰め、朝から昼まで(!)生のジャズを聴いていた。夜は値段が高いから入れないんだぞ、ばーろ!! 生のジャズは、世界的に有名な一流プレーヤーの録音セッションよりも素晴らしいから、ほんと、うっとりするだよ。生演奏が好き。
 
 
 そうやって、おら的には鍛えに鍛えて、むふふふふ・・・なんて思ってても、らく〜んは、初めて聞く曲で、おらが気づかないことを云い始めるので(しかも正しい)、あ、こういうひといるよな・・・・と思ってから、らく〜んと音楽のはなしをするのはやめた。とにかく音を聞き分ける能力が違う。これは、料理についても同じで、味覚の敏感さもかなわない。おらは、能書きはいくらでも云えるけど、
 
 らくは、なにも知らないのに、ただ食べるだけで微妙な味の違いがわかる。いまは遠い昔の笑い話になってるけど、京都の有名な和菓子職人さんが、やむを得ない事情があって、ちょっとズルしたときに、らくさんが味の違いを指摘した。以来、その和菓子の有名な先生は、らくの味覚の正確さを信じてくださる。おらは、ただ「うまいですね〜」と云うだけ。
 
 
 音楽に対する素養も違うだな。
 
 おらはの、有名なジャズの楽曲、ジョンコールトレーンの「マイ・フェイバリット・シングス」を、長いこと、ジョンコールトレーン作曲だと思ってただよ。
 
 そんで、むかし、聴いたことがない・・・というので、らく〜んに聴かせたことがある。そしたら、「すごい。サウンドオブミュージック」と云われて、あ、これ「サウンドオブミュージックのあれだったのか〜〜〜・・・」と気づいた。
 
 それから十年以上たって、NHKのFMラジオ聞いてたら、
 「これをジョンコールトレーン作曲だと思ってリクエストされる方が全国にいっぱいいらっしゃるんですけど、あの、原曲はサウンドオブミュージックですよぉ〜」とラジオのパーソナリティーがしゃべってたので、おらと同じようなひとは全国にいるんだな〜っと、なんか安心した。
 
 
 現代は便利での・・・・
 
 いま、ためしに「マイ・フェイバリット・シングス」で検索かけたら、ジョンコールトレーンのも出てきた。興味のある人は、ダウンロードしないで視聴してみるとよろし。スイスのモントルーの録音がいいけど、ネット上にはあんな長時間の音源はないかもしれない。
 
 
 らく〜んがほめるジャズメンは、玄人ごのみの系統。
 おらは、もう少し、軽いほうを好む。
 
 だから、おらは、いまだにマイルスデイビスの本当のすごさが、わからない。
 らく〜んが、うっとりして聞いてるから、
 「これは、どこが、どのようにいいのであるか?」と訊くと、
 それはもう、懇切丁寧に、予備校のカリスマ講師のように、「良さ」のポイントを教えていただける。でも、いまでも、はっきり云って、わからん。ただズージャが好きなだけである。
                         さようなら。
 
 
 
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