坂 道
 
 
 
 おら、東京、散歩してて、面白いなあ・・・と思う場所がいっぱいあるだ。
 
 おおきな理由として、おらの場合限定だけど、東京には坂道が多いからだと思ってるだよ。
 
 そりゃね、どんな町にも坂はあるけど、
 東京の坂道って、江戸時代のなごりがあるのか、
 なるべく江戸の防衛に好都合なように、曲がりくねった坂道とか、
 急坂にしないで、長い階段で一気に上下を直結させるとか、
 とっても味わい深い町の作りになってるから、歩いてて飽きない。
 
 
 むかしテレビ番組の企画でSMAPのキムタクさんが、港区の坂道をダッシュして登るっちゅうようなことやってたけど、
 あれは、ほんと、たいへんだっと思った・・・。
 だってさ、港区って、めちゃくちゃ坂道が多いんだ。
 
 おらが通ってたガッコ(港区)のまわりも坂道だらけで、
  そんで、
 ガッコ自体が山(標高15メートルくらい?)の上にあったから、
 正門から入っても、校舎までは上り坂をあるくことになってて、
 別の門、裏門とか東門(幻の門)とかから入っても、
 ぜんぶ上り坂を歩いて、校舎にたどりつく作りでした。
 むかしは、海が見えて、花火大会もみえたそうですが、
 さすがに現在は海もみえないし、花火もみえなくなって、さみしいデス。
 
 
 おらは、あるとき、一生懸命に勉強してた時代があって、
 そんときは、試験が近づくと、
 友人ともしゃべらずに、マジで、全身全霊で集中するため、
 ガッコの図書館をつかわず、
 広尾の有栖川公園にある中央図書館を使ってた時代があっただ。
 
 そんときは、ガッコの北側の裏門を出て、
 南北に延びる長い綱坂を北に向かってエッチラオッチラのぼり、
 三井倶楽部やオーストラリア大使館が並ぶ道を西に向かってダラダラくだり、
 古川にかかる二の橋を越えて、
 麻布十番の長い長い坂を仙台坂上までフーフーのぼって、
 そんで、その先、わちゃわちゃっと歩いて有栖川公園まで通ってただ。
 所要時間は、ま、40分くらいだったかな・・。
 
 で、こうやって歩いてる時にも、
 麻布十番あたりは、右にも坂、左にも坂があって、
 その坂道がとっても魅力的な風情をもっててさ、
 そのうち、そういった坂道も、
 ・・・この先はどんなんなってんだろ・・・・?
 みたいな興味本位で、子供みたいに探検し始めるんだす。
 
 狸坂、暗闇坂・・・
 
 味わいのある坂道がいっぱいあって、飽きない。
 東京の坂道を紹介するブログもあるので、興味のあるかたは参考にすると楽しいですよ。
 
 んでね、なんで「東京の坂道」のことをいま書いてるかというと、
 さっきね、福田雄一監督の大爆死映画「薔薇色のブー子」をみてしまったからなんだの・・。作品中に暗闇坂がでてきた。
 
 暗闇坂って名前の坂はいっぱいあるから、それがどこの暗闇坂かはわかんないけど、あ・・・、でも、東京の坂道の風情が出てるな・・・と、へんなところに感心してしまった。
 
 ま、くだらない映画だし、酷評する「評論センセ」も多いですけど、エンターテイメントって、もっと自由でいいんじゃないの・・と思ってるので、田口トモロヲさんには笑ってしまいました。指原さんはうまいとかへたを超えて、ギャグ漫画の主人公のように、淡々とストーリーを進めていく姿勢が、Mr. ビーン、チャップリン、スヌーピーに通じるテイストがありました。
 
 コメディの王者、モンティ・パイソンのように、
 割り切って徹底的なギャグに徹すれば良かったのに、
 今回は、中途半端な「日本映画」感を残してしまったので、
 そりゃ、ま、残念な、結果となったけんども、
 中途半端をやめれば、福田監督からは、
 洗練された笑いの作品が生まれるかも・・デス。  さようなら。
 
 
 
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