ハステとワステ
 
 
 
 当研究所は、初代「ファット」さんの時代から、なにごとにも「のんびり」することをモットーにしてるんですけどね、・・・その、
 
 ふだんはゆっくり歩くし、
 ご飯をたべるときも、ゆっくり食べます。
 
 でも、つい、うっかり、時間がないとかであせったり、急いだりして、
 その結果、失敗した・・とか、危機一髪・・とか、
 そういうのも、いろいろありますわ。
 
 
 かぞえあげたらキリがないんですけどね、
 あるとき、わては、滋賀県の琵琶湖の安土(あづち)にいました。安土桃山時代の「安土」。
 織田信長さんの居城である安土城跡をみてみよう・・・と、ひとりでぶらぶらしてたんです。
 
 城跡には、だれもいなくって、のんびりと見学して、さてさて・・、らく〜んさんと待ち合わせしている関西空港に移動しようかな・・・と、だらだらっと自転車に乗って安土駅へ戻り、レンタサイクルを返して、駅に入って列車の時刻表をみると・・・・・  ・・・はっあああああ?
 
 大阪方面への列車が、ぜんぜんない! いや、あるけど、めちゃ少ない!!
 
 ・・・ま、こっからあせりはじめたんですな・・・・。
 
 時刻表通りの列車に乗ったら100%アウト・・つまり大幅な遅刻。
 あややややや・・・米原に戻って新幹線・・・?
 いやでも、それだって、新幹線の時刻がわからないし・・・。
 新幹線って、のぞみさんだのはいっぱいあっけど、こだまさんは少ないから、米原に停車する新幹線の時刻ってわかんないのね。あ、おらは携帯電話なんか持ち歩いてないからさ。ぴぴぴっと調べる・・なんてことも出来まへん。
 
 んで、鼻息が荒くなりながらも、米原に行って新幹線に乗った。
 そんで、新大阪→大阪と移動したか、しなかったか、記憶があいまいだけんど、たぶん大阪駅まで行って、関西空港行きの時刻表をみると、25分遅刻する時刻になっていた。
 
 そのとき、おらは関西空港行きのJR切符をもってたんで、う〜〜んんんと考えたけど、難波まで移動して南海のラピートに乗るとかは、まったく考えなかったです。移動時間や待ち時間を考えると、大阪駅からJRのほうが早く到着するし、JR切符が無駄になるし・・・・。
 
 このあとのことは、本当に恥ずかしいんだけど、
 これは、かなりやばい・・・・と焦ったおらはだな、逆上してタクシー乗り場に、つんのめるようにして行っただ。
 
おら「関西空港までお願いします(←焦って、のどカラカラ)」
運転手さん「え・・・、あの・・、お客さん、あっこかなり遠いですよ」
おら「・・・一万円くらい?」
運転手さん「いやいやいや・・・もうちょっと・・・」
おら「・・いや、お願いします」
 
 ということで、おらはタクシーで関西空港を目指した。運転手さんには事情を説明して、急いでもらったけえのお・・。高速に乗るまでが渋滞してたけど、運転手さんは、頑張って法定速度をきっちり守りつつ、「がんばってまっせ〜」と自分を鼓舞するような奇声を発しながら、みごと列車よりも速く関空に到着してくれたのであった。こっちもありがたかったけど、運転手さんも何度も何度もお礼の言葉を云ってくれた。・・でも、そのときの出費はいたかった。
 
 
 おまけで、もひとつ。
 
 スイスに旅行してて、日本に帰る日、
 理由はもうわすれたけど、ホテル出発前になんか焦ってたのかな・・・
 
 何回か泊まっているダボスという町の小さなホテルを出発して、
 おらとらく〜んさんは、こじんまりした駅舎のカフェで、日本に戻る飛行機が発着するチューリッヒまでの列車を、ぼっさあ〜っと待ってた。いつものように、わははははっと笑っていたとき、らく〜んさんが冗談なのか「パスポート忘れてたりして」みたいなことを云った。
 
 その瞬間・・・わては、青ざめた。
 ほんとに、
 ほんとうに、パスポートをホテルに置き忘れたまま出てきたのであ〜るるるる。
 
 列車はもうすぐ到着する。
 それに乗り遅れたら、途中駅での列車の乗り継ぎが全部パーになって、日本に戻る飛行機の出発時刻には絶対に間に合わない・・・。
 
 
 ところが、らく〜んは余裕ぶっこいた表情で「大丈夫だ」という。
おら「・・何故だ?」
らく「今回は、いつもより一つ早い列車にしてあっから、今回だけは大丈夫である」
おら「・・どうして、そういう段取りになってんのであるか?」
らく「・・空港でゆっくりするのもホテルでゆっくりするのも同じだから、万一の安全のために一本早い列車にしておいた」
 
 それまでは、スイスに限らず、わてが鉄道時刻表を調べて計画してたんだけど、あるときから、らく〜んさんもヨーロッパの鉄道時刻表に詳しくなって、スラスラ予定を作るようになった。んで、このときもらく〜んさんが行動予定を作成してた。おらが作ってたら「アウト!!」だったな。
 
 
 「あせると失敗する・・・・」
 
 
 これを英語で表現すると、
   「Haste makes Waste 」
 「急がばまわれ」「あせりは禁物」「あせったら損をする」など、
 いろんなふうに解釈できる、いい言葉。
 
   「あせると、(金銭や時間の)無駄になる」
 っちゅう意味だの・・・。
 
 
 ほんとうに、そうである・・・・と理解するにつれて、だれでも人間は少しずつ大人になってゆく・・・。
 
 
 そんで、
   「Haste makes Waste 」
 を日本語に訳して、
   「ハステとワステが作った」
 と、答えられるるようになったら、
 ほんとうに、立派。
 
 それを笑えないひとは、もう少し勉強して、「人間としての偏差値」をあげてほしいな(←冗談だぞ! まじになるなよ!)。
  * 最後のはなし、どういうことか、意味が判らん・・・というひと、「ハステとワステ」で検索かけてね。中高生の半分以上は知ってる・・50歳以上の70%以上は意味がわからない・・・そういう、どうでもいいはなしです。
 おらは(らく〜んさんも)、子供の時から、ど〜でもいいはなしばっかりしてるので、なんか、すいません、謝っておきます。
 
 
 
 
 
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