身振り手振りで墓参り
 
 
 
 
 
 最近さむくて・・・
 
 ひな祭りも過ぎて「春」のはずなのに調子が狂うなあ・・
 
 そう云えば、数年前に、小さな娘さんのために「ひなデコケーキ」を買いに車で出かけて、猛吹雪で視界ゼロになっちゃって、知り合いの民家に救助を求めに行く途中で、娘さんをかばいながら凍死したお父さんのニュースがあったけど、
 
 北海道の網走あたりで起きた悲惨な事故だけど、
 ひな祭りになると、そのときの、娘さんを風雪からかばって死んだお父さんのことを思い出すのよ・・・
 
 
 日本は南北に長いから、
 冬から春にかけての時期は、南と北でぜんぜん条件が違う。
 
 ヨーロッパも冬は寒いけど、
 殆どの都市が北海道の稚内より北の緯度にあるから、
 寒いのはあったりまえだ・・と思うけどさ、
 
 それでも、
 ヨーロッパで温暖な保養地として、
 国際映画祭でも有名な、
 フランスのカンヌという小さな街が知られているけど。
 そこだって北緯43度で、
 北海道のサッポロと同じ緯度らしい。
 
 
 どれくらい気候条件が違うのか、
 ゴールデンウィークに、サッポロからカンヌに行ってみた。
 
 
 結論。
 
 全然違いますな・・・
 同じ北緯でもカンヌは5月の東京なみにあったかい。
 
 日差しも強いです(写真1 ←クリック)。
 
 
 5月のカンヌは、
 恒例のカンヌ国際映画祭があるので、
 けっこう観光客でにぎわいます。
 
 
 なぜカンヌが暖かいか・・と云えばデスね、
 そりゃ・・・地中海に面してるからで・・・
 
 アフリカまで広がってる地中海は、
 いつも暖かくて、
 
 その海に面している街は、
 どこでも、冬でも、暖かい。
 夏は、逆に、それほど気温が上がらない
 
 暖流とか寒流とか、そんなの、ないからね。
 いつでも、ハッピーな良い気候。
 
 
 ま、
 コートダジュールっていうんですか・・
 
 のんびりしますけど、
 おら、
 ここに行ったのは、のんびりするためではありません。
 
 
 墓参りです。
 
 らく〜んさんの強い希望があって、
 
 法律家のボアソナード先生の墓参りに行ったのでした(写真2←クリック)。円形プレートのあるところです。
 
 
 ボアソナード先生は、
 日本の近代法の父と呼ばれているお方で、
 
 法政大学の学生諸君なら100%知ってると思う。
 なんせ法政大学の高層学舎の名称が「ボアソナード・タワー」だもんな。
 
 
 それでなくても、
 法曹関係のお方であれば、
 「六法全書」のうち憲法を除く「近代五法」・・・
 ・・・民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、
 これ、ボアソナード先生が深く寄与なさっていたことはご承知。
 
 
 な、
 おらは、ばかなので知らなかっただ。
 
 らく〜んさんが、「ボアソナード先生の墓参りに行きたい」
 
 と云ったときは、
 だれであるのか・・・・??
 だったのでした。
 
 
 そんなこんなで現地に墓参りに行ったんですけどね、
 
 
 お墓がある町、
 カンヌに近いアンチーブという町に着いて、
 
 さて、お墓の場所はどこであるか・・・で困るわけです。
 
 親切な警察官がいて、
 「どうした?」と訊いてくれたから、
 
おら 「お墓に行きたい(英語)」
警官 「・・・??」
おら 「お墓・・・アーメン、十字架、(泣くまね)」
 
 警官はフランス人なので、
 英語は通用しないのです。
 
おら 「(ひとが死ぬ)→(地面に穴を掘る)」 ← ぜんぶゼスチャー
おら 「(墓石を作る)」 ← ゼスチャー
おら 「(家族と親戚が泣く) → アーメン」 ← ゼスチャー
 
 すると、二人の警官は少し話し合って、あああ・・と理解してくれて、
 
警官 「それはフランス語では**という」
   「その**は、この町には5ヶ所ある」
   「地図もってるか?」
   「マークすると、ここの5ヶ所である」
おら 「メルシー!!」
 
 っちゅうことで、
 めでたく5ヶ所の墓地がわかった・・・
 な、
 人間のコミュニケーションはこんなんでいいと思うぞ。
 
 
 けんども、警官は「ボアソナード先生」なんて知らないから、
 どこにボアソナード先生の墓があるのかは判らなくって、
 
 さてさて、
 どの順番で5ヶ所の墓地に行くかでらく〜んさんとしばし協議。
 
 
 ま、
 どうせわかんないんだから、
 近いところから行こう・・・となって、
 
 一番近い墓地に行ったら、そこがビンゴだったンです。
 
 ラッキー・・・
 
 
 らく〜んさんは、
 墓園の入り口にある花屋さんで献花を購入し、
 広々とした墓園の参道をおごそかに移動して、
 念願のボアソナード先生にご挨拶しておりました。
 
 
 ・・・と、
 ここまでなら、まるでらく〜んさんが、
 なんか100%いいひとみたいですけど・・・
 
 
 みなさんね、
 女子っちゅうのは、
 いつでも複数の目的をハラにかかえて同時進行で生きています。
 
 
 それを忘れてはいけません。
 
 
 おごそかな、墓参りの後、
 らく〜んさんが、かくれた野望をあらわにします。
 
 ・・・こわいですね、
 なぜ、らく〜んさんはカンヌに来たのでしょうね・・・
 
 語れる機会があれば、コソコソっとしゃべろうと思います。 
                             さいなら。
 
 
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 おまけ。
 ホテルの部屋からみたカンヌの海。写真の左側の建物が国際映画祭の会場です(写真3←クリック)。
 
 
 
 
 
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