インドの牛
インドは、
むかしから牛を神聖な生き物としてきたので、
インドを歩いてると、
町中で、
その神聖な牛にたくさん遭遇します。
とは云っても、
最近は、ニューデリーとかカルカッタ(コルカタ)とかの、
ま〜、いわゆる大都会の一部では、
交通の邪魔にもなるし、
牛さんが自由に歩くのが制限されてるようで・・・
だけど頑固に、
ベナレス(ワラナシ、ヴァラナシ)とかの伝統的な宗教都市だと、
牛さんは、のんびりと勝手にぶらぶらしてます。
牛は、古くから、
農耕器具の主力エンジンだったし、
貴重なタンパク質であるミルクを生み出してくれるし、
排泄物は、貴重な燃料となるし、
ぶつぶつ文句を云わないし、
というわけで、古代から、
インドで最も神聖な神(シヴァ)の乗り物とされ、
現代でも、とても尊重されています。
おらがインドにはじめて行ったとき、
やっぱり驚いたのは、
ホテルを出て、ガンジス川を目指して歩きはじめて数分で、
のんびり歩く牛を発見したときです(写真1)(←クリック)。
この写真1の場所は、ベナレス駅の北側の、
イギリス人が作った白人専用的エリア(だった)地区ですけど、
そういうところでも、お牛様は、自由に散歩をなさる。
ベナレス駅を超えて南側の地区(旧市街)に入ると、
自動車の交通量も増えますけど、
お牛さまも増えますな。
お牛さまは、自動車がガンガン走ってる道路でも、
ドテ〜っと、お座りになって、休息なさるし、
道を歩いていても、
お牛さまは、むこうから道を譲ってはくれないので、
歩行者が、お牛さまを避けて通るしかありません(写真2)(←クリック)。
こういうの、
西洋的な思考回路でいえば、
人間の邪魔になるので、牛を撤去せよ!
っちゅうことになるのだろうけど、
インドは、
お牛さまの自由な行動を尊重して、
そのままにしています。
そもそも、
牛を、単なる「家畜」とみなすことが(なんとなく)不敬になることもあって、
お牛さまに暴力をふるったりしたら、
そのひとが、みんなからトッチめられますな。
写真2くらいの状況ならいいんだけど、
ときどき、集団でやってくるときがあるン(写真3)(←クリック)。・・・
最初は、おおおおお〜っと、
ビビりますが、
毎日のように遭遇してると、
ぜんぜん大丈夫になります。
写真3の黒い牛さんの集団は、
飼い主が散歩させてるだけで、
牛が暴動を起こしたりはしない・・
ということさえ了解すれば、
道ばたに寄って、通り過ぎるのを待てばいいだけ。
お牛さまの集団は、
タクシーに乗ってても、
リキシャに乗ってても、
歩いてても、
毎日のように遭遇するので、
そのうち慢性になって驚かなくなります。
町中にいる、野良牛(のようにみえる牛さま;写真1)も、
じつは飼い主がいて、
飼い主は、ミルクを絞って、売っている・・・(らしい)。
ちゃんと、人間の役に立つように生きてるわけです。
ガンジス川のほとりに建つ庶民派ホテルのレストランに行ったとき、
レストランは3階の上の屋上にあるんだけんど、
階段を上っていくと、
うすぐらい2階にね、
お牛さまが3頭くらいいらっしゃった。
トイレは2階なので、
トイレに行くときは、お牛さまに挨拶してました。
インドを旅行して、お牛さまをみてると、
日本に戻ってきて、
道に牛がいないと、すこし寂しい気持ちになる。
ベナレスだと、
鉄道駅の待合室にも、プラットホームにも、歩道橋にも、
どこにでも、
お牛様が、どて〜っと、ぶらぶらっと・・してるから。
鉄道の跨線橋を登って行って、
お牛さまがどて〜っと跨線橋の階段に座ってたとき、
これはどうするべきか瞬時の判断にまよったけど、
現地の皆様がどんどんすりぬけて歩いて登っていくので、
それをマネて登っていった・・・
そしたら、跨線橋の通路に大きめのサルが4頭いた・・・
現地のみなさまは、普通に歩いて通りすぎて行ったので、
おらもマネして、通りすぎました・・・・
そうやって、すこしずつインドに慣れました。さようなら。
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