スイスの牛
 
 
 
 
 
 約2000年前、
 
 スイスを支配したローマ軍は、
 ふと・・・気づいたらしい。
 
 
 「ここ、支配しても良いことないな・・・・」
 
 
 山と湖ばっかりで、
 作物が出来るような平地も少なく、
 
 寒いし、
 土地はやせてるし、
 
 ローマ帝国を繁栄させる要素がゼロ。
 
 ・・・というわけで、
 ローマ軍は、さっさとスイスから撤退した(・・らしいデ)。
 
 
 その状況は、現在でもたいしてかわってなくて、
 スイスは山と湖とわずかな平地で、
 まわりの国が攻め入っても、
 あんまり利益になるようなものがないだヨ。
 
 だから永久中立国の立場があって、
 国際機関がたくさんあって、
 国際会議がばんばか開催されるんだけんど、
 
 国民投票でユーロ加入も拒否したから、
 
 難民流入とか、
 貧窮国に対する経済支援とか、
 ユーロの問題もスイスは圏外にある・・・
 
 
 でもスイスは努力の国で、
 ただ、ぼさ〜っとしてるわけではないン・・・
 
 
 永世中立だけど、国民皆兵だし、
 狭い国土の中でジェット戦闘機を飛ばして軍事訓練もやってる。
 永世中立だけど、軍事訓練は怠らない・・・
 抵抗できる程度だと想うけど、努力はしてる(・・ようにみえル)。
 
 あの・・・
 
 難しいハナシは「すわみ亭」に馴染まないから、
 スイス国民の頑張りについて、ゆるいレベルで考えてみると・・・
 
 
 スイスは山ばっかりなので、
 当然、
 峠を越えて行くバスがある。
 
 峠・・と云っても標高2000〜2500mあるから(写真1)(←クリック)、
 結構シンドイし、峠のピークでは氷河が見えるン(写真2)(←クリック)・・・。
 
 でね、
 
 いくつかある、峠超えバスに乗ってると、
 あるとき、
 ・・・・??
 
 と、気づくことがあったン・・・。
 
 
 あくまで日本の風景と比較した上での感想なんだけど、
 
 なんか・・・山の上まで「みどり」がある・・・
 険しい岩肌の上の方までみどり・・・だな・・・・
 例えば、写真2でも、氷河ギリギリまで「みどり」があるのヨ。
 
 
 こういうのは、あくまでバスに乗ってるときの思いつき感想で、
 「山の上までみどりダのぅ〜・・・」
 くらいの、ぼや〜んとした一瞬の印象でしかない。
 
 でも、「山のみどり」を、ちゃんと研究している方もいて、
 日本に戻って、専門家の文献をみてみれば、
 
 スイスの「みどり」は「努力のみどり」・・・
 ということが、わかってくるのね。
 
 
 要するに、
 スイスの重要な産業である「放牧」
 これを実現するために、
 牛や、山羊や、放牧家畜のえさとなる草(みどり)が必要で、
 努力に努力を重ねて、
 山の上のぎりぎりまで、
 家畜が歩いていける限界まで、草地(みどり)にしていった・・・
 
 
 アルプスの少女ハイジの友達のペーターも、
 山羊を放牧する仕事をしてましたけど、
 先人ペーターたちが、
 山の上まで草地(みどり)の放牧地を作ったのです。
 
 
 草地は、高地の山には自然にできないので、
 先人ペーターたちが、全部、山の上まで努力で作ったんです・・。
 
 だからスイスの風景は、グリーンが多くて美しく、
 山の上にも、牛や山羊が自由に放牧されてるので(写真3)(←クリック)、
 
 近づいてみると、
 なんとも楽しい(写真4)(←クリック)。
 
 広々とした芝生のなかで、
 の〜んびりと草を食べている牛や山羊は、
 上質のミルクを生産してくれるので・・・
 それがチーズになりチョコレートになって・・・
 
 いまではスイスは世界で最も豊かな国になっちゃいまして、
 でも、それは無数のペーターたちの努力に支えられてるので、
 努力する国民がいなければ侵略しても無意味・・・
 
 ・・・というホントに絶妙の立場を保っている・・。
 
 これが、峠超えのバスのなかからみた、
 一瞬の風景の印象に基づく、ささやかな感想だす。
 
 アニメのなかのペーターは、
 いつもお腹をすかしている少年だけども、
 その後、
 スイスの山を美しく緑化した偉大な先人なのだと思えば、
 ペーターにパンをあげるハイジも、偉かった!!
 
 みんなの力が必要・・っちゅうことかな・・。 さよなら。
 
 
 
 
 
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