男はビシっと
 
 
 
 蕎麦あり、寿司あり、天ぷらあり、なんでもあり・・・っていうような、デパート食堂的なとこに行くと、
 
 おなかいっぱい食べて、さて出ようか・・・っちゅうときに、
 
 ひと様がラーメン食ってんのを見ると、
 
 なんか、ものっすごく美味そうに思うぞな。不思議と、蕎麦とか、スパゲッティとかでは、こういう気持ちにはなんねぇな。
 
 
 ああいうの、どーしたもんかと思うけんど、
 
 でもまあ、おら的には、人生で一番うまそうにみえた「ひと様が食うラーメン」は、
 
 「幸福の黄色いハンカチ」の冒頭で、網走の刑務所から釈放されて外の世界に出てきた高倉の健さんが、小さな食堂に入ってビールとラーメンを注文するシーンのとこ。あの映画のラーメンのシーン、ほんとに、凄かった。高倉健さん・・・・。合掌。
 
 
 ラーメンって、全国で味がけっこうちがうところが面白い。でもま、自分が美味いと思う味が一番だと思ってっから、アッチコッチ冒険しないんだけど、旅行のときは、ガイドブックで紹介されてた店に行くことはあります。
 
 
 んでさ、岩手二戸のラーメン(「あらや」さん)。ここですね、地道に営業しておられるお店なんだけど、びっくり、感動した。
 
 醤油ラーメン、見た目は屋台風なんだけど、味が澄み切って、しみじみするのよ。お値段も安くって。申し訳ないような気持ちになる。
 
 
 で、なんでわざわざ(出さなくてもいい)お店の名前を出したかっていうと、ここの味が、「幸福の黄色いハンカチ」でみた健さんのラーメンから受けた印象と、ものすごくマッチしたから、なのでした。
 
 もちろん、健さんのラーメンが、実際にはどんな味だったか分かんないし、まるっきりの妄想なんだけど、映画をみたときに「美味そうだな・・・・」と思ったその時の、そのような味・・・とでも云うのか・・・えーいめんどくさい!!
 
 
 当研究所のラクーンさんはバカにすんだけど、おらは、外国に行ったら途端に日本食が恋しくなるタイプで(←だったら行くなや)、レトルトカレーやカップ麺を持参することもあるけど、そ−ゆーの忘れたときは、現地の日本食とかラーメンを食するんだわ。
 
 いろいろあるよね〜。アメリカやヨーロッパの大都市は、現地で生活してる日本人も多いので、日本食スーパーもあるし、ラーメン屋さんもある。ラーメンは中国系、東南アジア系、日本系があって、どれでもグー。たいてい美味い。
 
 
 当たり外れもあるけど、ま、外れてもしゃーないなー・・・くらいの気持ちじゃなきゃ旅行なんかやってらんないしね。
 
 
 はなし飛ぶけどさ・・・
 
 今朝の新聞朝刊読んでたら、中国でも健さんの映画を上映したことがあるらしく、
 
 「君よ憤怒の河を渡れ」は一億人がみた・・・そうで、
 
 現地でも訃報が大きく報じられたそうです。
 
 
 
 あの映画、新宿の街中を暴れ馬がかけまわるシーンがあったのお。
 
 む〜〜〜ん、すっかりわすれてたんだけど、
 
 映画「君よ憤怒の河を渡れ」の撮影の時、
 
 「・・ウチに高倉健が来たんだぜ」 と、
 
 バイト仲間が自慢げに話してたことがあっただよ(←遠い記憶)。
 
おら「おめんち、新宿だったっけ?」
彼 「むかしっからな」
おら「どうだった?」
彼 「カッコいい! もんのすごい!! 背が高くて、玄関先でびしっと立って、深々とお辞儀して家に入ってきた」
おら「・・・おおおお」
彼 「姉ちゃんは恥ずかしがって部屋に引っ込んじゃって、母さんはお茶出す準備で引っ込んで、健さんには部屋で座って休憩してもらってた・・」
おら「どんな感じ(様子)?」
彼 「ぜんぶ、ビシっとしてた。正座。」
おら「・・なにしゃべんだ?」
彼 「いや、普通にお礼とか、映画の撮影の段取りとか、そんなこと。でな・・・・母ちゃんが、お茶もって来たんだけど・・・」
 
 
 はい、みなさん、このときの彼のお母様が、どうであったか、
 
    さ、わかるひと〜〜!?
 
 
 はい・・、実はこうだったそうです・・・
 
 
 お母様のおカオは、「息子のおれでも一回も見たことがないくらいに化粧が濃くなってて、しかも、カオが赤くなってた」そーです。
 
 ほんで、そのあと、かれのお姉ちゃんも部屋に来たんだそうですが・・・
 
 「弟のおれでも一回も見たことがないくらいに化粧が濃くって髪の毛クルクルで、しかも、カオが赤くなってた」そうでした。
 
 
 おらは、この話を聴いたとき、
 「・・男は、常にビシッとしとらんと、いかんな・・・」
 と、肝に銘じたんでありました。
 
 
 いや、女性にモテたいとかでなくって、
 女性が、そこまでの気持ちになる(←乙女になる)っていうのは、
 健さんが有名だから・・っていうんではなくって、
 生き様やすがたがビシッとしてるからだ・・・・と、
 ・・・そう、うすぼんやり、おもっただよ。
 
 
 実践は・・・・ま・・・非常に難しいの。おそまつ。
 そして、再度、偉大なる俳優、高倉健さんに合掌。
 
 
 
 
 
 
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