完成までのステップ
 
 
 瞑想をしようとする者にとって、最も知りたいことは、完成に至るまでのタイムスケジュールでしょう。完成するまで何をどうやって進めていけばいいのか、といったような簡単なスケジュール(行程表)です。
 
 こういうことは、完成に至った先生や先輩が身近にいれば教えてもらえるかもしれませんが、残念ながら、日本ではそういう指導をしてくれる先達は見つけるのが難しいですし、文献やWEBにも書かれていてないので困るのです。
 
 
 どのくらい時間がかかるかも判らないまま瞑想を続けるのは、初心者にとっては不安ですし、あきらめてやめてしまう人が多いのです。
 
 日本での瞑想希望者は実際には非常に多いのに、最初からあきらめてしまったり、途中でやめてしまうひとが多い理由は、結局のところ、どういう順番でどういう具合に瞑想を進めていけば良いのか、これがぜんぜん判らないことにあります。
 
 
 自信をもって瞑想を続けるには、全体のスケジュールを把握しておくことが大切です。全体の枠組みを知っておけば、自分がどの位置にいるのかも判りますし、次のステップに向けてどのような学習をすれば良いかも明瞭になります。
 
 
 
 前置きはこれくらいにして、とっとと説明を開始します。
 タイムスケジュール表をご覧下さい。
           タイムスケジュール表の表示(←クリック!)
 
 
 通常、瞑想の開始から完成までの時間は、12年です。
 
 早い人は6年、遅い人は24年です。例外もありますが説明は省略します。
 
 通常は12年くらいと理解しておきましょう。
 
 
【第一段階】
 まずは、基本的な瞑想のマネごとを行います。
 雑念混じりでかまいません。
 少し慣れてきたら、内的な音が聞こえるよう努めます。
 
 単純な音やリズムが聞こえてきたら、毎日それを繰り返していると、突如として聖音が聞こえるかもしれません。聞こえたひとは幸運です。
 
 聖音が聞こえるというのは、内的な高位の波動に瞑想意識が接続したことを意味します。
 
 高位のヴァイブレーションは公共電波ですから、初心者でも普通に聞くことができます。特別なことではありません。
 
    ありませんが・・・・
 
 ラジオでもチューニングが狂っていると電波は受信できないのと同じように、どんなに頑張っても、10年頑張っても聞こえないひともいます。これは、別の機会に考えましょう。
 
 内的聖音が聞こえたならば、瞑想は90%成功できる! と確信してもいいでしょう。回線が接続すれば、その後は非常に楽です。もちろん、山あり谷ありの道のりが待ってるんですけど、自信はもてると思います。
 
 内的聖音は、それを聞くこと自体に意味があるのではなく、意識が高位回線に接続していることの安心感や確信を得るために大切なのです。
 
 実際に聞こえた人は、内的聖音がどのように聞こえるかを他言してはなりません。
 
 聞こえていないのに聞こえたふりをする人がいるとみんなが迷惑を被るので、実際に内的聖音が聞こえた人は、神聖なプライドをもって口をつぐんでおきましょう。
 
 内的聖音は、じょじょに変化していきます。
 
 潮騒のような音、荒ぶる風のような音が聞こえたら、もう聖音のことは意識する必要はありません。日々それをキープすれば、内的聖音はじょじょに音量を増加させてゆきます。それでOKです。
 
 
【第二段階】
 第二段階は、クンバカ(無呼吸)の修得です。
 
 内的聖音を聞くよりも、クンバカは、ある意味で容易です。
 
 内的聖音は、高位意識と同調できるか否かであって、言葉を使ったあれやこれやの説明を超越したテーマですが、クンバカは哲学的な−−論理的な−−側面があるので、素直に説明を理解するひとは容易にクンバカに達します。
 
 ケバラクンバカというインド古来の呼吸法(クリヤヨガ)を実践するかしないかとは関係なく、素直なこころをもっているか否かが大切です。
 
 この段階で習得するべきことは、クンバカに達するか否かではなく、「わたし」とは何であるかを心から理解することで、それさえ理解すれば、自動的にクンバカのテーマは超えてゆきます。
 
 クンバカのテーマを超えてゆけば、瞑想は95%完成した! と確信してよろしい。
 
 このように、入門から1〜2年で、瞑想がうまくいくか否かがほとんど決まります。だからこそ、最初の1〜2年は頑張って取り組む必要があると云われ、最初に待ち受ける山坂を乗り越えれば、あとは苦しむことなく前途洋々とした気分で瞑想を続けていくことができます。
 
 
【第三段階】
 内的聖音を聞きながらクンバカを続けていくと、瞑想意識が脳の中央核にロックされ、瞑想がオートマティカリィに進んでいくようになります。
 
 これをウンマナ・サマーディといいます。
 
 ウンマナに至れば、98%成功です。
 このウンマナ・サマーディに至るまでは、瞑想意識を眉間に集中するよう努力するのですが、ここから先は、精神集中の必要もなくなって、かなり簡単に瞑想が進みます。
 
 瞑想と精神集中は違います。精神集中は、初期入門時に必要なもので、ウンマナに至れば、精神集中といった努力も不要になります。
 
 ただ、ウンマナ・サマーディでは外界意識はしっかり残ってます。プラーナ上昇の操作など、意識的なコントロールに習熟する必要もあるので、瞑想が完璧に自動進行するわけではありません。
 
 
【第四段階】
 ウンマナ・サマーディを続けていくと、瞑想深度がじょじょに深くなっていきます。
 
 ウンマナ期間は脊柱と脳の中核に精妙な振動を繰り返して受けますが、これに習熟してゆくと、脳の全体に精妙な振動を受けるようになり、瞑想意識は次第に脳全体の中に入ってゆきます。脳の中核(コア)も意識しなくなり、脳全体が瞑想意識となって、瞑想意識は火炎を噴出するような激しいエネルギー反応に晒され、恍惚としたエクスタシーを経験します。
 
 サビカルパ・サマーディです。
 
 ここに至れば瞑想は99%成功です。
 ここに至って瞑想をやめる人はいないでしょう。苦労せずに快感を経験できるようになるからです。
 
 サビカルパ・サマーディは、高度なサマーディですが身体意識を残しています。これを繰り返していると、ときどきは身体意識がなくなったような感じをもつこともありますが、基本的には身体感覚が残ります。まだ十分ではありません。
 
 
【第五段階】
 身体感覚がある、ない、ある、ない・・・という、サビカルパを繰り返してゆくと、じょじょに身体感覚がない時間が長くなってゆきます。
 
 ニルビカルパ・サマーディです。
 
 普通にやっていても自然と移行しますが、少しだけ哲学的な論理に慣れれば、かなり早い時期に上達できるでしょう。
 
 ニルビカルパに入ることを「解脱」と同視する考え方もありますが、ニルビカルパにも瞑想深度や質的なグラデーションがあるので、必ずしも「ニルビカルパ」=「解脱」ではありません。
 
 この段階に至る人は非常に恵まれています。努力と、幸運と、恩寵と、あれやこれやが混じってニルビカルパに到達するのです。
 
 
【第六段階】
 ニルビカルパ・サマーディは、瞑想意識が普遍霊と深い次元で直接交流している状態ですが、これが解脱なのではありません。
 
 解脱の第一段階は、瞑想意識がキリスト意識に達することをいいます。
 キリスト意識に達した瞑想意識(魂)をジーヴァン・ムクタといいます。
 そのときのサマーディ・レベルはニルビカルパです。
 
 
【第七段階】
 キリスト意識から、その上のレベルに行けるか否かは、非常に難しいテーマです。
 
 この先は、努力、幸運、恩寵のすべてを駆使して、現世・過去世のカルマをすべて打ち消す哲学を要します。
 
 理解して完了したとき、かれはニルヴァーナ(涅槃)に達します。独尊位、第四位、トゥリヤなどともいいます。
 
 これで瞑想(魂の救済)は完成です。
 
 
【その後】
 ニルヴァーナですべてが終了するのではありません。
 魂は完全な自由を得た後、喜びの自由を楽しみます。
 ニルヴァーナの後は、各聖者の自由です。
 
     頑張りましょう!!
 
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