回 答 例 23
問題 23
「瞑想中に宇宙意識に達した者は完全な聖者である」という考え方があります。これについてあなたの考えを述べなさい。
【回答例 23】
ラーマクリシュナ先生の言葉に、
First of all reach the indivisible Satchidananda, and then, coming down, look at the universe.
というフレーズがあります(福音全巻第19章)。
「まずもって最初に不可分のサチダーナンダに到達せよ。そうしてから、そこから降りて宇宙を見なさい」
これは、とても大切な言葉です。
宇宙意識のように、瞑想中の内的ビジョンは、それがどんなに高いレベルのものであっても、マーヤ(母なる神の幻術)にすぎません。
マーヤである以上は、それを避けて通るのが「最善手」です。
宇宙意識が最高位レベルであるという誤解は、世界中にあります。
でも、違うんですよ。
ヨガナンダ先生は「自叙伝」のなかで宇宙意識を経験したときのことを述べておられますが、きちんと、
The Lord, as the Cosmic Vision, is drawn by the seeker’s magnetic ardor into his range of consciousness.
「宇宙幻夢としての神(The Lord, as the Cosmic Vision, )」が、熱心な瞑想者の意識にあらわれると説明なさっています(自叙伝第14章)。
そこが終点でもないし、最上位であるわけでもありません。
ラヒリ・マハサヤ先生が、瞑想中の内的ビジョンは絶対に避けるよう記録されたのと同じで、宇宙意識も、避けて通る方が上に行く確率が高まるのです。
しかし、多くの瞑想実習者にとっては、宇宙意識が非常に魅力的であるため、いくら教え諭しても、ここから上に行けなくなるケースが発生します。
本人の興味なので、無理に強制して「やめなさい!」と云うことも出来ないし、云ったとしても本人に興味がある限りは、当人はやめないのです。
こういう事情だけは、ちゃんと理解しておきましょう。
後々の、瞑想の進捗にも微妙に影響してきます。