回 答 例 15
 
 
問題 15
 「宇宙は非実在であるから、真剣に生きるのは馬鹿馬鹿しい」という考え方があります。これについてあなたの考えを述べなさい。
 
 
 
 
 
 
【回答例 15】
 
 こういうことをデス、信じてる人がいっぱいいるので、困ります。
 
 「ラーマクリシュナの福音」を記録したM先生ですら、入門当初は、こういう考えをもっていました。
 
 そして、ラーマクリシュナ先生に次のように窘められました。
 
 MASTER (to M.): "Why should the universe be unreal? That is a speculation of the philosophers. After realizing God, one sees that it is God Himself who has become the universe and all living beings.(福音全巻16章の最後の方)
 
 要するに、宇宙を非実在とするのは学者の思弁である。すべては神ご自身に満たされているのだから、非実在のはずはないだろ。
 
 
 すべては非実在、神だけが実在、というアファメーション(宣言)は聖者が好むところのもので、ラーマクリシュナ先生もよくおっしゃいました。
 
 聖者が深いサマージに入ったときは、まさにそのような実感を得るのですが、サマージから降りて日常意識に戻れば、全宇宙は敢然として存在することを認識します。
 
 そして、思うことは、この世界で生きる人間にとって宇宙が非実在であるか否かは重要なことではない。深いサマージに入って理解した者の役目は、宇宙のすべてが目に見えないお方のあらわれであることを知り、それを否定しないことである。
 
 いずれにせよ、宇宙は非実在であるから真面目に生きるのもばかばかしいと思うような、思考の短絡(ショート)が問題なのです。
 
 自分自身で「宇宙は非実在である」とサマージの中で本当に理解した者は、決して、宇宙を否定したりはしません。
 
 宇宙は、真面目に生きるのがばかばかしい、というような単純な構造物ではないのです。
 
 
 思考の短絡。
 これ、ほんとうに危ない!
 
 
 
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